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自在鉤
概要
自在鉤(じざいかぎ)は、囲炉裏の上につるして、かぎに鍋や釜、鉄瓶などをさげ、囲炉裏の火との距離を自由に調節(ちょうせつ)できるものである。
自在鉤に取り付く「腕木(横木)」がその長さを調節するもので、上下に上げ下げされる事によって鉤につるされた調理器具等の火加減をコントロールするものである。
自在鉤の数える単位は一本(いっぽん)である。
古くは縄と木製の鉤からなり、縄は蔓・葡萄・科木(しなのき)の皮から作り、鉤の部分には木の股や、杉・松・栗材を細工したものを用いた。鉄製の鉤が一般化するのは、大正時代以降のことである。
多様な腕木==
自在鉤の腕木は留め具とも言われる。
腕木の部分は様々な形がある。単なる木製の横木から、魚類をかたどったもの扇状のものなど、多種多彩である。
所によっては、この腕木に松の木、鉤に梅の枝を用い、松竹梅とそろえて作り趣を加えた土地もある。この腕木(留め具)は「て(手)」「こざる(小猿)」「ちゅうぎ(籌木)」などと呼ばれ、特に魚をかたどったものは火の用心になるとされた。
信州安曇野では、自在鉤の先端の鉤を「カギツケサマ」と敬称が使用される。
材質
材質には、鉄製、木製、竹製のものがある。 竹を産する土地などでは古くから竹がよく利用された。
現在でも、アンティークとしてその方面の愛好者は多い。
別名
- オカギサマ(敬称付)
- オカギンドサマ(敬称付)
- カギドノ(殿の敬称か)
- カギドー(殿の敬称が訛った?)
[東北地方南部・関東甲信越・東海・北陸地方]