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行灯
名称
行灯(あんどん)
概要
現代では室内用照明器具である行灯(あんどん)は、元々は手にさげて持ち歩いていたところから、「行灯」と呼ばれるようになった。 「あん」も「どん」も唐音(とうおん)[1]で、「鈴」を「りん」と読むのと同じである。
行灯は、江戸時代の代表的な照明器具だ。行灯の中で燃やすのは、動物や植物の油である。結局何かを燃やさなくてはならない。この油のことを灯油(ともしあぶら)という。“とうゆ”と読んだら石油になってしまうので注意したい。“とうゆ”の読みは、石油ランプの普及に伴って使われ始めたと思われる。ではどんな灯油を使用したか。菜種油(なたねあぶら)や魚油(ぎょゆ)が主な燃料である。菜種油は食用でもあり、品質的にも高級な灯油だった。魚油は主に鰯(いわし)の油を原料としたものである。菜種油は蝋燭よりもはるかに安かったが、庶民にはやはり高価で一般的には魚油を用いた。魚油は菜種油の半値ほどだったという。魚油は安かった反面、燃えるときに煙と臭いを多量に出すのが難点だった。
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別名
- 行燈(あんどん)
関連項目
脚注
- ↑ 日本漢字音の一つ。平安中期から江戸時代までに日本に伝来した音の総称。平安中期の中国商人や鎌倉時代の禅僧の伝えた、唐末より宋・元初頃までの音、江戸初期の僧隠元の伝えた明末の音、長崎の通訳の伝えた清代の音などが含まれる。「行灯」を「アンドン」、「普請」を「フシン」と読む類