1,377
回編集
差分
冷蔵庫
,→氷室(ひむろ)
涼しい山の穴倉や、倉庫のような部屋のことで、おがくずやわらで包んだ雪や氷を入れて、夏まで保存していた。[[氷室]]の雪や氷は、夏になってから取り出され、水やお酒を冷やすのに使われた。氷を削ってかき氷のようにして、食べることもあった。
[[氷室]]に入れる雪や氷は、冬の間にたくさん集めたり、高い山に夏まで残っている雪や氷を運んできたりしたもので、大変な手間や苦労があった。雪や氷を使った冷たい物は、身分の高い人でないと味わえないぜいたくなもので、一般庶民の人たちが口にすることはできなかった。
[[氷室]]は、今から1,500年ぐらい前の奈良時代に、既に使われ、日本書紀にも記載がある。<ref>『日本書紀』によると、仁徳天皇の六二年五月、額田大中彦皇子が狩りに出かけられた。山中に入って、ふとごらんになると、広い岩穴がみえる。いったい何だろう、というので土地の人に問われると、これは氷室というものであります、という答えがかえってきた。</ref>が見られる。また、[[氷室]]は宮廷の官僚組織のなかにも組みこまれ、「大宝令」には宮内省の主水司に[[氷室]]を管理させることになったともある。